ワン・ナイト・イン・タンペレ/トリオ・トウケアット
ワン・ナイト・イン・タンペレ/トリオ・トウケアット
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フィンランドが誇るメチャウマ・トリオのライヴ作
One Night In Tampere / Trio Toykeat

 フィンランドにも他の北欧諸国と同じく、様々なタイプのジャズがあるが、国単位で見るとスウェーデンやノルウェーのような明確なカラーには欠ける印象が否めない。北欧人にヒアリングしたところ、シャイな人が多いとの情報を得た。それが理由の1つかもしれないが、今回ご紹介するトリオ・トウケアットは、そんなフィンランド・ジャズのイメージを打ち破る音楽性を兼ね備えたユニットである。

 2003年に行われた東京のホール・コンサートで観客に衝撃を与え、2005年には愛知万博に出演。これまでに7枚のアルバムをリリースしており、来年には結成20周年を迎える長寿トリオだ。初のライヴとなる本作はリーダーでピアニストのイーロ・ランタラの自作曲とジャズ・スタンダードが2本柱のプログラム。彼らの魅力はまずランタラの超絶テクニックにあるのだが、ユーモア・センスにも富んでいるため、「凄いミュージシャンなのに親しみやすい」という感覚を抱かせる。人間に可能な最速トリオ・サウンドを極めたといっても過言ではない《ファイナル・ファンタジー》や、次々と場面が転換する様が痛快な《カラテ》はこのトリオの真骨頂だ。他にも《イン・ア・センチメンタル・ムード》のようなしっとりと聴かせるバラードも用意されているのでご安心を。ラスト・ナンバーの冒頭、ピアノ独奏のパートで観客の1人がクシャミをすると、客席から笑いが起こる。構わず演奏は進み、アルバムにも収録された。そんな大らかさもまた楽しい。

【収録曲一覧】
1. Voyage
2. Perfect Make Out Music
3. Final Fantasy
4. Some Other Time
5. Happy Hour
6. Karate
7. In A Sentimental Mood
8. I Remember Clifford
9. Insane In Seine

トリオ・トウケアット (allmusic.comへリンクします)

イーロ・ランタラ:Iiro Rantala(p)
エーリック・シーカサーリ:Eerik Siikasaari(b)
ラミ・エスケリネン:Rami Eskelinen(ds)

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