スマートフォン向けゲーム「モンスターストライク」(モンスト)のヒットで株価が急上昇しているミクシィ、一方で快進撃に陰りが見え始めた「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)のガンホー・オンライン・エンターテイメント…変化の激しいスマホ向けゲームの業界。今もまた大きな変化の時を迎えているようだ。
この1、2年、モバイル端末向けのゲームが市場を引っ張ってきた。なかでもスマホ向けゲームは、急成長の最大要因だ。ところが、そのスマホ向けゲームの分野が成熟しつつあるのではないか、との見方が出ている。中安氏はこう分析する。
「スマホ向けゲームの利用者数は、まだ増えるでしょう。でも、利用者1人あたりの支出は、下がり始める可能性がある。成熟化は目前かもしれません」
市場規模が縮小に転じるような可能性は、まだ当面低い。だが、市場の成長率が横ばいか、それに近くなれば、パイの奪い合いになるかもしれないという。
潮目の変化を目前に、競争は熾烈さを増す。ゲーム業界の3カ月は、ほかの業界の1年に匹敵する。それだけ変化のスピードが速い。だからヒットを飛ばすとミクシィのように、一気に株価が上昇する。そして、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのように、その逆も起こりうる。
「パズドラ」のヒットで市場を席巻したが、10月末から11月上旬にかけて、株価が急落した。7~9月期の決算が、4~6月期よりも減収減益になり、市場から急成長が止まったとみなされたのだ。