働き方が変わろうとしている。旧来型のエリート人材はもういらない。そんな社会のなかで、若きリーダーが輩出しているのが慶應だ。
小学生のとき、お小遣いをためて買った8ビットのパソコン。インターネットビジネスを展開するITベンチャー、「フリービット」社長の石田宏樹(あつき)(41)にとって、その小さなマシンは「『どこでもドア』の入り口のようなもの」だった。
「コンピューターのすべてをこれで学びました。自分でプログラミングをし、絵のうまい友達や音楽の作れる同級生と組んで、中学生のときにはRPGやシミュレーションゲームを作ったり、雑誌に投稿したり…あのまま続けていたら、今ごろはOSの一つも作れていたんじゃないかと思います」
中学卒業後、ソニー会長だった盛田昭夫に、「将来はソニーで働きたい」とつづった手紙を出した。盛田から届いた返事は意外なものだった。