世界一になった原動力はどこから? 女子サッカーの澤穂希選手が、食生活や健康について、お母さんのように慕う女優の仁科亜季子さんと対談。澤選手は女性特有の病気などにも気を付けているといい、アスリート仲間と話すこともあるという。

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──選手同士で、女性特有の病気のこととか、検査のこととか話しますか。

澤:さおちゃん(レスリングの吉田沙保里選手)とは仲良くて、昨日も会っていたんですが(笑)、何でも話しますね。彼女も検診に行っているって言っていました。さおちゃんのお母さんも昔、子宮頸がんになった経験があるそうなんです。なぜだかわからないんですが、なでしこのチームメートは皆、「今日は生理」って報告してきます。

仁科:タブーにしないで話すといいんです。日本語の子宮とか生理という言葉って、微妙なニュアンスがありますよね。でもアメリカだと、生理は「ビジター(訪問者)」ってさりげない表現だと聞きました。私は自分の体験があるので、娘とはフランクに体のことも病気のことも話しています。

澤:私もいまだに母親から「ちゃんと婦人科の検診行った?」って、メールがきます。

仁科:検診が怖いっていう人もいますよね。検診で何か見つかったら嫌だって(笑)。

澤:あるのにわからないほうが絶対怖いですね。特に若い子だと、進行も早いと聞くし、早期発見に越したことはないですよね。

仁科:子宮頸がんの場合、簡単な検診で実際に細胞を顕微鏡でみて、がんになる前の「異形成(前がん状態)」という段階で発見できるので、そこの部分だけ円錐切除でくるっと切り取って、日帰り手術も可能なんですよね。そして妊娠して出産もできます。

澤:食事に気を配ったり、体が疲れたらマッサージしたり。検診もそういう延長線上のケアのひとつだと思うんですよ。好きなことをやるには、体が資本です。何が大事って、もちろん自分の体が大事ですけれど、好きなことを全うするには健康じゃなきゃ。やりたいことがあるのにできないというのが一番ストレスですよ。

AERA 2012年12月3日号