厚生労働省が9月に発表した調査で、全国の100歳以上の高齢者がついに5万人を超え、過去最多の5万1376人となったことがわかった。その87%が女性だ。

 中には100歳になっても電車で会社通いを続ける男性や、同じく100歳を迎えても週に6日健康麻将(マージャン)と呼ばれる「お金を賭けない」「たばこを吸わない」「お酒を飲まない」というルールのゲームを楽しむ女性など、元気で健康に過ごす人々がいる。

 それにしても、100歳になってもこれほど元気なのはなぜか。寿命には、遺伝的要因が30%ほどかかわり、残りは生まれた後の生活環境が関係すると考えられている。

 長年、100歳以上の元気な長寿者と対面調査を行い、『人は誰でも「元気な100歳」になれる』の著書がある慶應大学の坪田一男教授は、長寿者はみな性格が明るく、前向きだという。坪田教授が指摘する長寿に大切な要素は(1)食事(2)運動(3)ごきげんの三つ。

「食事は、必要な栄養を十分取りながら腹八分目が望ましい。運動は成長ホルモンの分泌を促します。ちょっときついくらいの運動が重要。そして、ごきげんとは、ストレスをためず笑顔で過ごすこと。ストレスは免疫力を低下させ老化を助長させる。この三つは、すべて一体になっています」

AERA 2012年11月19日号