「日本の政治で一番重要なのは独裁」と言い切る西のキーマンに、改憲目指す自民党総裁。そこへ、「暴走老人」も参入した。次の総選挙で台風の目になりそうな「右寄り」の政治家・橋下徹氏、石原慎太郎氏、安倍晋三氏。

 保守派の論客や活動家にとって、3氏の政治姿勢はどのように映るのだろうか。安倍氏のブレーンで、以前は「新しい歴史教科書をつくる会」の会長を務めた八木秀次・高崎経済大学教授と新右翼団体「一水会」の木村三浩代表に採点してもらった。

 八木教授は安倍氏に「ほぼ満点」を付ける。「前回の安倍政権の時には多くの改革を一度にやろうとして失敗した。次はより現実的に運営しよう、という深化が見える」という。橋下氏は70点。「脱原発を掲げているところが理想主義的だ。他の面では期待できる。竹島の共同管理案についても、韓国が受け入れるかは別にして、落としどころとしては現実的だ」と評価する。一方、石原氏は「実は国政運営の中心にいたことはなく、都知事や自民党内でも野党的な発言をしていればよかった。できれば『ご意見番』的な存在でいてほしい」と60点。主張が重なる石原新党の出現で、橋下維新や安倍自民の得票が減るのを心配している感じだ。

 一方、木村氏は、石原氏が中韓だけでなく、米軍基地返還交渉などで米国にも「ノー」を突きつける姿勢を評価する。

「米国と敵対する必要はないが、TPPなどで従属してはならない。西側陣営で独自の地位を築いたフランスのドゴール元大統領のような自主独立の姿勢が必要で、『石原首相』には期待できる」と、80点を付ける。安倍氏は「誠実さと理念は評価できるが、まだ5年前の政権投げ出しの残像を払拭できていない」として75点。橋下氏には「普天間基地の関西空港への移設を検討してみたりするなど、思いつきの発言が多い」と厳しく、現状では40点だという。

AERA 2012年11月12日号