河井案里参院議員と衆院議員で夫の河井克行前法相の公職選挙法違反事件がようやく動いた。広島地検は3月3日、案里氏の公設秘書立道浩容疑者、選対幹部の脇雄吾容疑者、克行氏の政策秘書高谷真介容疑者を車上運動員(ウグイス嬢)らに法定上限の2倍、3万円の日当を支払ったという運動員買収の容疑で逮捕した。
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だが、ウグイス嬢への日当3万円は、秘書らではなく、最終的に克行氏が決めていたと広島地検ではみているという。
「脇さんは選挙のときにかかわるだけの立場の秘書。選挙期間中、克行氏と案里氏の選挙遊説のスケジュールを毎日、調整していたので、日当3万円の了解を克行氏から得たようだ。広島地検の取り調べや供述調書の内容から克行氏をターゲットにしているのは明らかです」(案里氏陣営関係者)
広島地検は秘書ら3人を逮捕した際、河井夫妻が滞在していた都内のホテルにも捜索に入ったという。
「広島地検の捜査員が河井夫妻がそれぞれ、所有する携帯電話を押収しようとしたら、どちらも激しく抵抗しました。案里氏は『携帯電話なんて持ってない』と言い張っていた。克行氏は捜査員ともみ合いになり、ケガをしたと主張。案里氏は連座制の対象になる可能性が高い。克行氏も選対の最高責任者だったという供述が複数あるため、逮捕許諾請求のXデーの日程まで上がっている」(捜査関係者)
秘書らの逮捕で大きく展開した、河井夫妻の政治とカネにまつわる疑惑は公職選挙法違反だけにとどまらない。昨夏の参院選の際、自民党本部から案里氏陣営に1億5千万円もの選挙資金が渡り、安倍首相の秘書らが度々、広島に応援に入っていたことが明らかになっている。案里氏の選対本部幹部がこう証言する。