いっぽう同日の18時から放送され、“早麒麟”とも言われるBS放送分の視聴率は第5話が4.5%と、これまでの放送で最高を記録する、という地上波と逆の現象が起こっている。

「地上波の裏番組に『ポツンと一軒家』『世界の果てまでイッテQ!』という人気番組があるので、先に見られるBSで見たり、大河は録画でという視聴者はある程度います」(田幸さん)

 地上波版の視聴率は、やがて「いだてん」並みになってしまわないか、という心配もよぎるが……。

「視聴率は今は指標として機能しなくなってきていますから、マスコミが騒ぎすぎな部分もあります」

 と成馬さん。そのうえで、

大河ドラマのような作り込まれた作品は、細部をじっくり見たいという視聴者が多いので、たとえば全話一挙配信するなど、いつでも見られるような環境を整えることが大事なのでは。現在の放送形態がそういった時代の要請に対応できていないのではないでしょうか」

 敵は「現代」にありか。(本誌・太田サトル)

週刊朝日  2020年3月6日号