「かつて賭博問題に揺れた時もはい上がってきたという経験が、今生きていると思います。また戻ってやるという自信があるはずです」

 経過が順調ならば、プレーへの影響も大きくなさそうだ。野田医師が解説する。

「複視によってショットの精度が下がることは避けられませんが、手術によって回復は期待できます。術後の腫れが引けば問題はなく、複視も再発することはありません」

 一方で心配なのは体力面。全治3カ月であれば、完全復帰は五輪本番がすぐそこの5月。当初復帰戦と予定していた3月の全英オープンは欠場する。

「バドミントンは我慢のスポーツで、攻め急ぎが負けの要因になります。体力面に自信がなければ、あせって攻め急いでしまう。短い期間でどれだけ密度の高いトレーニングを積み、体力を戻せるかがカギを握ります」(折山さん)

 万全の状態で五輪に臨んでほしいと願うばかりだ。(本誌・秦正理)

週刊朝日  2020年2月28日号

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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