「男性脳は言語機能よりも視覚認識が優先されるので、女性のように相手のひとことでジェットコースターのように機嫌が変わるということはありません。とは言っても、男性の気持ちを萎えさせる言動はあります」

 げげっ。男を萎えさせる言動とは!?

「まず『痛い』『つらい』と言うのを繰り返すことです。膝などに慢性の痛みのある妻が日常的に『痛い』を繰り返すと、夫が鬱になってしまうことがあります。共感型の女性脳を持つ妻のほうは『つらいよなあ』などと夫に言ってもらうとラクになるので、ついつい言ってしまう言葉なのですが、問題解決型の男性脳は自分に解決できない命題を繰り返し突きつけられると絶望していきます」

 また、「あのとき、ひどかった」と過去の過ちを蒸し返すのもNGだ。

「感情をキーにして記憶を引き出すのが得意な女性脳は、過去の出来事を何回でも思い出して、みずみずしく反芻(はんすう)します。プロセスを何回も確認して、危険回避につなげるためです。一方、プロセスよりもゴールを重視する男性脳は、一度決着をつけたことを蒸し返されると“ゴールした得点をゼロにされた”感がして、がっかりしてしまうのです」

 め・ん・ど・く・さ~。

 男性脳ってかなり身勝手にできていませんか(笑)。

「いやいや、禁止事項はまだもうひとつあるのです。それは『この人、○○だから』と夫を人前で決めつけることです」

「この人、気が利かないから」「この人、せっかちだから」などと、妻は夫の資質を決めつける言葉を言いがちだ。これは共感型の女性脳としては、親しみの表現として行っている。

「でも問題解決型の男性脳は問題点の確認=マウンティングと感じてしまうのです。だから『この人、○○だから』という言葉を不快に感じる男性は多いのです」

 夫婦が共に仲よく暮らしていくためには、男性脳・女性脳が求めるものの違いを理解した上で、「話し方」に気を使うべきなのかもしれない。

週刊朝日  2020年2月21日号より抜粋

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