漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「恋はつづくよどこまでも」(TBS系 火曜22:00~)をウォッチした。
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医療ドラマが6本並んだこの冬。その中のひとつ本作はタイトルを見ての通り、病院を舞台にした恋愛ものだ。むしろ医療ドラマを名乗っちゃいけないような、ゆる~いお話。
ポンコツ新米ナース・佐倉七瀬(上白石萌音)が一目ぼれしたのは、「魔王」と呼ばれる超ドSドクター・天堂浬(かいり=佐藤健)。
果たして勇者ちゃん・佐倉は魔王のハートをつかめるのか~。て、原作が少女漫画なだけにコッテコテのラブコメ展開。しかし救命の現場のシビアさと、キュンキュンモードの食い合わせが絶妙によろしくない。
ニッコニコ顔で「先生のドSなハートを盗みに来ました!」と言い放つ佐倉。お前、循環器内科でそんなこと言ってないで、早く患者のハートを治療しろ。
なんせ一番緊迫感を感じたのは、ドジっこ佐倉が採血するシーンだから。ごくり。病室中の患者たちが固唾(かたず)をのむ。「チクッとします」と、皮膚に沈む針先。
見事採血が済むと患者たちはスタンディングオベーションだ。てへへと笑いながら注射針を廃棄しようとした佐倉。うっかり自分の手の甲に針をグサッ。苦笑いしてサクッと言う。
「オウンゴール!」。それ聞いた瞬間、私の心電図がツーッてなったわ。見ているものの心臓をいきなり止めにかかるこの寒さ。
恋愛パートがまた、ドキドキというより不整脈になりそうな仕上がりだ。「魔王」こと天堂のキャラが少女漫画の中のみに存在するイマジナリー・イケメンすぎて、常に病院の廊下から15cmくらい浮いてそう。