不運な判定や欧州組の招集が難しくベストメンバーが組めないという事情はあった。しかし、それを差し引いても散々な内容、結果だったことに変わりない。
1次リーグ敗退が決まったシリア戦後に「恥ずかしい」と悔しさを露(あら)わにした選手がいた一方で、監督は冷静に「勝負勘を培ってほしい」と選手に訴えたが、勝負勘が必要なのはどちらか。
目標は「金メダル」。だが、勝っても負けても政治家の答弁のごとく「連係、連動」「臨機応変」など抽象的な言葉を並べる指揮官から、どんなサッカーがやりたいかは一向に見えてこない。
森保監督が五輪代表とA代表の指揮官を兼任していることも、去就を複雑にしている。ただ、結果が出なければ監督の責任が問われるのが筋だ。
五輪代表とA代表を分けて考えるのか、それとも合わせて考えるのか。
続投か、解任か。
この話題は、もうしばらく続きそうである。(栗原正夫)
※週刊朝日 2020年1月31日号