また、事件が起きたホテルの従業員が、詩織さんが当日抵抗していたことを目撃している。彼は、民事裁判結審直前に、支援の会の窓口に「証人になる」と名乗り出てきたのだが(いてもたってもいられない思いだったのだろう)、彼自身はこれまでも警察に証言をしたという。なぜ重大なこの目撃情報が採用されなかったのか、またはされたとしたらなぜ不起訴になったのか。
山口氏は、自分は発言の場が奪われ、世間は詩織さんの言い分だけを聞いてきた、もうこれからは黙らない、ということを記者会見で宣言していたが、良いことだと思う。裁判では不合理で、曖昧で、変遷し続けた山口氏の証言が全否定されたわけだが、ジャーナリストとして、隠蔽されている事実を語る勇気、正義の一滴でもお持ちであることを期待したい。
※週刊朝日 2020年1月17日号