「とりあえず公判手続き停止となって、検察はゴーン被告の所在を探すから待ってと裁判所に申し出るとみられます。レバノンに身柄を引き渡せ、と交渉しても無理でしょう。本当なら、起訴の取り消しなどの手続きをとらねばなりません。しかし、検察もメンツがあるから、簡単に引き下がれない。けど何年も放置というワケにもいかないだろうし、どうするつもりでしょうか」

 ゴーン被告とともに、日産の代表取締役だった、ケリー被告と法人としての日産自動車も起訴されている。

「そちらの方の裁判は始まるでしょう。けど、ゴーン被告がいての事件ですからね。それより問題は保釈保証金の設定でしょう。15億円はこのままいけば、没収ですね。しかし、これが100億円ならさすがにゴーン被告も逃げたりしなかったかもしれませんね。支払うのも大変だったのではないか。ただ15億円はゴーン被告のこれまでの稼ぎ、実績からすれば、踏み倒してもいい金額だったかもしれません」(落合弁護士)

 ある検事はこうぼやいた。

「東京地検だけではなく、東京高検、最高検察庁までお偉方が急遽、出てきていますよ。私も呼び出されて『どうなってんだ』と上から聞かれるんですが、わかるわけないって。こっちが聞きたいくらいです。ゴーン被告、逃げるにしても別のタイミングにしてくれたらよかったのに。よりによって大晦日なんて…」

 検察は正月も返上か…。
(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定

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