ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、エゴサーチした結果を報告する。
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先日、タレント同士で「エゴサ」(SNSやネットでの自分検索)をするかどうかの話になりました。多かれ少なかれスマホを持っていれば「してしまう」というのが大方の傾向でした。たまたま自分が出演している番組に遭遇した時や生放送直後など、思わず世間の反応を確認したくなるのは人間の性です。
かく言う私も1日1回ぐらいは、なんとなしに「ミッツ」で検索をかけます。最近は老眼のせいもあり、流し読む程度ですが、お陰でSNS上に文字として現れる感情の裏側には「似たような感情」もしくは「正反対の感情」、そして「膨大な無関心」が、どのようなバランスで広がっているのかも読み取れるようになってきました。とは言え、この世で「ミッツ」と呼ばれているのは何も私だけではありません。野球選手やアナウンサー、はたまた誰かの飼い猫まで、実に様々な「ミッツ」が引っかかってきます。特に「それが自分かどうか」を根掘り葉掘りはしないものの、例えば「ミッツ似の女上司、マジ死んでほしい。てか超ブスだし」なんて内容のツイートを見つけてしまった時は、なかなか悩ましい。この「ミッツ」が私のことなのかどうかは定かでなくとも、妙に申し訳ない気持ちになります。ツイートした本人にも、超ブスな女上司にも。