クライマックスシリーズ最終ステージ第4戦の九回表阪神2死、二ゴロで最後の打席を終えベてンチに戻る鳥谷敬(C)朝日新聞社
クライマックスシリーズ最終ステージ第4戦の九回表阪神2死、二ゴロで最後の打席を終えベてンチに戻る鳥谷敬(C)朝日新聞社
9月30日の中日戦後、鳥谷コールに応え、ベンチから出て手を振る阪神の鳥谷敬(C)朝日新聞社
9月30日の中日戦後、鳥谷コールに応え、ベンチから出て手を振る阪神の鳥谷敬(C)朝日新聞社

 中日を退団した松坂大輔が古巣・西武、元楽天の嶋基宏がヤクルト入りとベテラン勢の移籍先が決まる中、阪神・鳥谷敬の去就が決まらない。退団直後はDeNA、ロッテが獲得に興味を示していると報じられていたが、最近は全く移籍先が報じられなくなった。

【写真】ベンチから出てファンに手を振る鳥谷敬

 スポーツ紙デスクはこう分析する。
「鳥谷は途中出場ではなく、4打席立って結果を残す選手です。各球団とも若返りを図る中、なかなか鳥谷のポジションが見つからないのが実情だと思います。ある球団は現場が鳥谷の獲得に前向きでしたが、フロントは首を縦に振らなかったと聞きました」

 危惧されるのは元巨人の村田修一がたどったパターンだ。村田は2017年オフに巨人から戦力外通告を受けて退団。同年に118試合出場、打率2割6分2厘、14本塁打と三塁のレギュラーで成績を残したため複数球団の争奪戦が予想されたが、ふたを開けてみれば獲得に名乗りを上げた球団はゼロ。独立リーグの栃木ゴールデンブレーブスに入団した。

 鳥谷が日本プロ野球機構(NPB)球団で移籍先が見つからなかった場合に、村田のように独立リーグで野球を続けるだろうか。

 球史に名を刻んだ選手がこのまま終わってしまうのは寂しい思いもある。阪神入団2年目にレギュラーをつかみ、攻守の主力としてチームの屋台骨を支え続けた。遊撃という負担の大きいポジションで歴代1位の667試合連続フルイニング出場。1939試合連続出場、13シーズン連続全試合出場はいずれも歴代2位の大記録だ。17年には阪神生え抜きの選手で藤田平以来となる通算2千安打も達成した。

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