室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
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イラスト/小田原ドラゴン
イラスト/小田原ドラゴン

 作家の室井佑月氏は、「桜を見る会」問題について「マジでいかれてる」とあきれる。

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 まず、毎日新聞社を讃(たた)えたい。11月20日夜に中華料理屋で開かれた安倍首相と官邸キャップの食事会「キャップ懇」、毎日新聞社だけが呼ばれてもいかなかったという。

 当たり前だろう。なにしろ、安倍首相は「桜を見る会」で権力の私物化を叩(たた)かれている真っ最中なのだから。

「官邸キャップ」といえば、全国紙、通信社、NHK、民放の20社弱の内閣記者会加盟社、官邸詰めのエース。その社の顔だ。

 キャップ懇は半年に一度くらいの割合で開かれるというが、なんで今、この時期にメディアの中枢が安倍首相から誘われてのこのこ参加しているのか?

 ぽろぽろあげられる週刊誌報道によれば、2日前に安倍首相の号令で開催が決まり、各社のエースが呼び出され馳(は)せ参じ、首相にヨイショする記者もいたらしい。

 これって読者や視聴者に対する、酷(ひど)い裏切りだと思う。

「桜を見る会」について、まだ「なにが悪いかわからない」といっている情弱な人もいるが、報道機関の人間がそんな風に思っているはずはなかろう。

「桜を見る会」は、安倍首相や自民党議員が、自分の地元の後援会員などを多数招待していた。つまり、わかりやすい安倍首相や自民党議員の公的行事の私物化、権力の私物化だ。

 反社会的勢力(反社)とみられる人間が出席し、詐欺的商法で一儲(もう)けしたジャパンライフの幹部も招待されていたとみられる。税金で招待である。

 でもって、そのことが公になると、必死のうそでとりつくろおうとした。菅義偉官房長官が、反社の定義はないといってみたり(2007年に政府が定義)、昭恵夫人の招待枠はないといってみたり(あった)。安倍首相が、招待者のとりまとめに関与していないといってそのあとすぐしていたことがバレたり。

 共産党の議員が招待客について触れてすぐ、招待名簿を廃棄した。たまたまシュレッダーが空いていたから廃棄したという理由で押し通そうとしたが、その後、問題のシュレッダーはそんなに混み合ってなかったと判明した。てかさ、文書は国民のものだろう。そんな軽々しく廃棄したりしていいものか?

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