「塩に含まれる成分が皮膚の表面にあるタンパク質と結合して被膜を作り、それが入浴後の汗の蒸発を抑えます。そのため湯冷めがしにくかったり、保湿効果が持続したりするのです」(同)

 天然塩には保湿因子であるナトリウムだけでなく、マグネシウム、カリウム、カルシウムが含まれているため、そちらの保湿効果も期待できるという。

 科学的な作用が嬉しい塩美容。青山さんに入浴のほかにも簡単に取り入れることのできる方法を聞いた。

 まずは、“塩マッサージ”による顔まわりのスキンケア。10グラム(大さじ3分の2)の水、またはオリーブオイル、ハチミツに塩15グラム(大さじ1)をよく混ぜてペースト状にし、額や頬、小鼻、あご、首などを軽くマッサージする(目の周りは避ける)。ペーストを載せた手のひらを肌に密着させ、そのまま軽く円を描くように手を動かすのがポイント。マッサージ後はお湯で洗い流し、いつもの化粧水や乳液をつければOKだ。

「使う塩は、できれば粒子の細かいものを。絶対やってはいけないのは、ゴシゴシと強くこすること。肌に傷がつき、シミやシワといった肌トラブルの原因になります。マッサージ後は肌が柔らかくすべすべになるので、毎日試したくなりますが、やりすぎも禁物。1~2週間に1回を目安にしましょう」(青山さん)

 ペースト状の塩が乾くまでこすり続けることや、美容パックのように塩を肌に載せたままでいるのも、肌トラブルを招きかねないので、やめておきたい。また、ダイエット目的で塩マッサージをしたい人もいるかもしれない。だが、残念ながらおなかや太ももを一生懸命もんでも、塩では脂肪は燃焼されないという。

 男性や、髪のボリュームが気になるシニアは“塩シャン(シャンプー)”を試してみよう。お湯で整髪料やホコリを落とした頭皮に塩をひとつかみ載せ、指先でマッサージする。

「しばらくすると、にごった皮脂が指につくようになります。そうしたら洗い流すだけ。シャンプーやトリートメントも使いません。私も塩シャンを1週間に1回ほど行っていますが、ドライヤーで乾かしたときの頭皮のスッキリ感といったら、言葉では言い表せません」(同)

 髪がごわつくときは、洗い終わりに手作りリンス(風呂おけ1杯分のお湯に酢を小さじ1杯入れる)で、髪をすすぐ。この程度の薄さなら酢の独特の匂いも気にならないという。

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