「Active Sleep BED」は、六つの部位ごとに10段階で硬さを調整できる「Active Sleep MATTRESS(マットレス)」と、睡眠状態を測定する「Active Sleep ANALYZER(アナライザー)」をセットで使うことで“眠りの自動運転”を実現した。

 眠りやすい角度の状態で就寝し、センサーが眠ったことを感知すると、およそ1分に1度という速度でゆっくりと平らな状態に戻っていく。睡眠中に角度を元に戻すのは、平らなほうが寝返りを打ちやすいからだ。

 一方、起床時刻を設定しておくと、ベッドの背がゆっくりと起き上がり、自然な目覚めを促してくれる。

 実はこのベッドで寝てみることができる。眠りにこだわったホテル「レム東京京橋」(東京都中央区)とのコラボレーションで、3製品が導入されている客室があるのだ。記者もさっそく泊まってきた。

 チェックイン時にアプリが入ったスマートフォンを貸与される。これがリモコンの代わりにもなる。ベッドに入って「入眠ポジション」に設定すると、ベッドは静かに動き出し、背の部分が少し起き上がった。角度のついたベッドに身をゆだねると、平らな状態よりこの姿勢のほうが楽に感じる。入眠角度のおかげかあっという間に眠りに落ち、気づいたら朝。あらかじめ設定した時刻にゆっくりと背が起き上がり、自然に目覚めることができた。

 ベッドにはむくんだ足を楽にする「足楽ポジション」や、テレビを見たり、本を読んだりするのに快適な「読書/TVポジション」などもあり、睡眠時以外でも楽な姿勢でくつろげる。

「今後、エアコンや照明などと連動して、室温や湿度、明るさなど睡眠に最適な寝室環境を整えることで、より良い眠りを追求していきたいと考えています」(同)

 睡眠テクノロジーがここまで進化しているとは! 人生の3分の1は寝ていることを考えると、これらのスリープテックを試してみる価値は大いにあるだろう。(ライター・吉川明子)

週刊朝日  2019年11月15日号

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