関西電力の役員ら20人が3億2千万円もの金品を、原発がある福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から受け取っていた問題で、関電は2日、記者会見を再度開き、社内調査の結果を公表した。八木誠会長は金貨や金杯、スーツ仕立券など859万円相当を、岩根茂樹社長は金貨10枚(150万円)を受け取っていたことなどが判明。だが、進退については「再発防止、真相究明することで役割を果たしたい」とし、2人は辞任せず減給処分になると説明した。
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社内調査報告書では、高浜町の「影の町長」とも呼ばれた森山氏が「国会議員に広い人脈を有している」こともあって、関係を深めたと説明。森山氏が筆頭株主とされ、取締役を務めていた警備会社「オーイング」(本社・福井県高浜町)と、その関連会社の「アイビックス」(本社・福井市)が、自民党の稲田朋美元防衛相に献金していたこともわかった。アイビックスの吉田敏貢会長は稲田氏の後援会長を務めていた。
稲田氏が代表を務める自民党福井県第一選挙区支部の政治資金収支報告書によると、アイビックスは2011、12年にそれぞれ36万円、吉田氏個人として11年に50万円を献金。オーイングも11、12年にそれぞれ12万円を献金していた。
また、衆院議員の高木毅氏(福井2区)が代表を務める自民党福井県第二選挙区支部は、16年に警備費用としてオーイングに約19万4千円を支払っていた。
本誌が12年春に森山氏を直撃取材していたことはすでに報じた。その時に関電への資金提供、国会議員との関係についても聞いていた。
――森山氏と関電は深い関係にあると聞いている。関電から便宜を受けることはあるのか?
「原発立地町だから、いろいろ聞くことはある。当然のことだ」
――森山氏と関係のある会社が優先的に、関電の仕事を請け負っているとの話を聞いたが?
「私も長く原発にかかわっている。関係ある会社はある。だが、関電に特別なことを頼むことはない」