国連気候行動サミットでの怒りの演説が話題となっている16歳の環境活動家・グレタ・トゥンベリ氏。前々日の9月21日、ユース気候サミットに登壇した彼女のファッションを、ファッションデザイナーのドン小西氏がチェックした。
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いやいや、言うこと言うこと正論すぎだろう。大人の事情でがんじがらめのあたしたちは、ぐうの音も出ないよな。ま、彼女の主張こそおとぎ話だって言う人もいるけどさ、気候変動のような大きな問題は、セクシーやクールより、彼女のようなピュアを武器に取り組まなくちゃいけないね。
で、その格好を見てみると、世界中どこへ行っても見かける典型的な10代ファッション。ついさっきまでファストファッションの店に吊るされてたような服で、素材も作りも見事によくない。ただ、黄色だのピンクだのブルーだのチェックだの、若者らしい色や柄がちゃんとあるのが特徴だよ。
かたや犬の散歩のついでに、日本の10代ファッションを観察してみると、多いのが白いシャツの前の裾だけベージュのパンツにインして、手にはタピオカ、耳には白いイヤホンみたいな。妙に落ち着いて洗練されてるけど、カラフルさもなければ、若さもない。そんな若者がチマッとまとまった国から、グレタさんが生まれる気はしないよな。ま、ファッションの話だけなら、いいですけどね。
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2019年10月11日号