稲垣:確かにそうですね。それもワインの持つ力なのかな。

林:吾郎さんは、お酒はワイン一筋という感じですか。

稲垣:一回、焼酎ブームもありましたね。ウイスキーも好きで、蒸留酒も結構好きなんです。香取(慎吾)君とか草なぎ(剛)さんも、ウイスキー好きですよ。

林:私は体質的にワインが一番飲めますね。

稲垣:強そうですよね。林さんはワインを飲むのはほとんど外ですか?

林:ええ、高い持ち込み料を払って、外で飲んでます(笑)。家ではあんまり飲まないかな。だって週に5日、フレンチのフルコースやらお鮨やら懐石料理なんかの会食があって飲んでて、土日も家でまた飲むのは、さすがの私もちょっとねぇ……。外でしこたま飲んで、家でも飲んでたら、アルコール依存症になっちゃいそうだし(笑)。

稲垣:週に5日も会食があるんですか。すごいな。

林:そうなの。でもごくたまに、家で飲むこともありますよ。家で飲むワインは1万円ぐらいかな。夫はそれでも高すぎるって言うけど。

稲垣:そりゃそうですよ。1万円のワインは日常使いにしては高い。でもワインって、感覚がどんどん麻痺しちゃうところがありますよね。

林:そうなんです。買い置きしておいても、どれがどの値段なのかわからなくなっちゃったり……。

稲垣:それは危ない(笑)。今、ワインのラベルを撮ったら値段から評価まで出るアプリがあるじゃないですか。

林:そうなの? 私、ワインの名前をGoogleに打ち込んで調べてた。

稲垣:それでもいいけど、アプリを使うと結構便利ですよ。

林:へぇ~、やってみます。こないだ近所で集まって飲んだとき、ちょっといいワインを2本持ってったの。でも、そこにワインに詳しい人がいなかったから、誰も反応してくれなくて(苦笑)。一人だけ「こんなところにこんないいワイン持ってきて!」って反応した人がいたけど、わからない人はわからない。逆に「この程度のワインを持っていけば大丈夫だろう」と思って持っていったワインが、思った以上に安かったりして、冷や汗をかくこともあります。そういうことってないですか?

稲垣:わかります。ビールとかと違って、ワインってどうしても値段がピンキリだから、場や人に応じて選ぶのが難しいですよね。開けてみないとわからないから、投資するのも怖いし。

※後編【夢は「吾郎ワイン」 稲垣吾郎が語る“ワイン道”】に続く

(構成/本誌・松岡かすみ)

週刊朝日  2019年9月6日号より抜粋