作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏は20代の女性と政治について話す機会があったという。
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立憲民主党の枝野さんの顔が暗い。顔に紗がかかっていて土色で、目に光がない。2年前の輝きはどこへ?
小池百合子氏に排除され、前原誠司氏から見放された立候補予定者を率いて立憲民主党を立ち上げた時、枝野さんは輝いていた。枝野さんの言葉を人々は求め、その熱気は社会が本当に変わるのではないかと十分に期待させる熱さだった。あれ、たった2年前ですよね。今回の参議院選挙の枝野さんの存在の薄さと暗さはいったいどういうことなのか。
最近、20代の女性と政治について話す機会が続いた。セクハラ軽視、沖縄イジメの現政権は論外だけど、立憲もない、とハッキリしていた。理由は女性への目線がオジサンすぎるから。彼女たちの話をまとめると、こんな感じだ。
「立憲はオジサン色が強すぎて気持ち悪いです。元アナウンサーとか元アイドルとか元ホステスとか、オジサン目線すぎます。『筆談ホステス』の人のタスキに『筆談ホステス』って書かれているのにも驚きました。フツーに『斉藤里恵・前区議』でいいじゃないですか。それに何故、女性候補者の人、みんな白いスーツを着てるんですか。蓮舫さん目指してるんですか? みんな同じに見えます」
それでも立憲は女性候補者を多く立てて頑張ろうとはしたよね、と言えば、だから何?な調子でこう言う人もいた。
「枝野さんて、AKB好きなんですよね。プロデューサー目線で女性候補者選んでいるんじゃないですか?」
さんざんなのだった。結局選挙は、わくわくさせた者勝ちだ。入れたい候補者を立てられた者勝ちだ。女性への態度が悪い店には、女性の客がつくはずもない。店主が暗い店は敬遠したい。何よりの証拠が「れいわ」の快挙だろう。れいわへの熱狂は、立候補者に必要なのは顔の美しさでもなければ、肩書でもなく、知名度でもなく、ただ「この人は私たちの代表である」と信じられる存在であることを証明したのだと思う。あと、店主の明るさが希望であることも。