ちなみに、20%の確率で生存している年齢を同じ平成28年の簡易生命表で計算すると、男性で91歳、女性で96歳です。家庭という単位でみれば95歳ということを想定していたほうがより安心な計画を立てられるということになります。
「平均」という言葉の持っている危険度は個人の生活に引き直してみると、かなり問題が大きくなるといういい例だと思います。
退職後の生活に関する考え方で重要なのは、自分の生活に合わせて考えることです。現役時代の生活が退職後の生活を考えるときの大事な起点になります。そしてその起点から自分はどれだけ引き下げた生活水準を設定できるか、と考えていく必要があります。平均と比べる必要はなく、まして他人と比較する必要は全くないのです。
改めて95歳をターゲットにしてどんな人生を送っていけるのか、じっくり考えていきたいものです。このコラムがそうしたことを一緒に考えていけるものになることを祈念しています。
※週刊朝日 2019年8月16日‐23日合併号