

落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「遅すぎ婚」。
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先日どこかの楽屋で「笑点」を観ていたらエンディングで、「この後、笑点から重大発表!!」と煽りまくっているではないか。「闇営業でメンバーの誰かが降板!?」と密かに期待していたのだが、まさかの「春風亭昇太が59歳にして結婚!」。
所属する協会は違うものの、昇太師匠とはしょっちゅう仕事でご一緒するのだ。5月には富良野でカメムシを捕獲し合った仲(5月31日号参照)。ちっとも知らなかったよ。いつも「今度うちに遊びにおいでよー」と気軽に声をかけてくれるので、富良野で「来月あたりにお邪魔してもいいですか!?」と甘えたら、「いやいや、一之輔くんも忙しいんだから無理しなくていいよー」とツレナイ返事だったのはそういうコトだったのか。納得。
なんでも弟子にも内緒にしていたらしい。お喋りが多い落語界で一切外に漏れない、笑点の情報統制おそるべし。
世間では「昇太、遅すぎ婚!」と話題になってる。しかも「実は奥さんは資産家令嬢! 昇太、まさかの逆玉の輿婚!」だってさ。ちょっと待ってくれ! あんな大金持ちに対して『逆玉の輿』って……。昇太師匠は楽屋で会うとけっこうな確率で鼻唄を唄っている。私が会う時だけかな。「おっかねがっほーしーいー♪ おっかねがっほーしーいー♪」と、超一流芸人とは思えない、欲望丸出しの鼻唄を唄いながらフラフラとしている。「なんですか? その唄(笑)。十分お金持ってるじゃないですか!?」と突っ込むと、「いやいや~、一之輔くん~♪ お金っていうのはね、『欲しい欲しい』って言ってるとほんとに来てくれるんだよ~。口に出して言わないとダメだよ~♪」だそうだ。いくら欲しくても人前で口に出して唄うのは憚られそうなものだが、現に師匠の元には日本中の金が集まっている(あくまでイメージ)。7兆くらい貯金あるはず(これもイメージ)。