



反社会的勢力が関わる“闇営業”問題を巡って、吉本興業はいまも混迷している。グダグダ会見で失った信頼はすぐに回復しそうもないが、岡本昭彦社長や大崎洋・吉本興業ホールディングス会長は続投。多くの芸人は主流派に逆らえず表向き会社批判を控えているが、不満は根強い。こうしたファンをしらけさせる展開の背景には経営トップの強い力がある。その力を支える源泉の一つが政治との蜜月ぶりだ。
「僕は吉本の芸人が誰一人やめることなく、楽しく吉本が普通の会社に戻るように願っている。それが出来るなら俺なんてノーギャラでもいい。自分には保身は一切無いのでそれで動いている。いま少しまとまりかけている」
ダウンタウンの松本人志は7月28日にフジテレビ系「ワイドナショー」で、自ら問題の解決に動いていることを明らかにした。お笑いコンビ「極楽とんぼ」の加藤浩次との対立についても次のように言及。
「加藤に『全然好きに言ってええよ、俺は全然怒ってないから、ほんとにお前の思うように言ったらいいよ』と話した。たぶん嫌な思いもいっぱいしてきたんやろうから。そういう話をして、加藤の方から電話してくれるし、最近めちゃくちゃしゃべっている。なんにもVS構造ではない。全く同じ気持ち。ただゴールが少し2人の中で違いがあるので折衷案を探っている状態」
建て直しのために自らが求めた社長の会見がグダグダになったことについては、こう嘆いた。
「自分たちで言うのもなんなんですが、僕も東野(幸治)も頑張って社長の会見までお膳立てした。いい感じの(バレーボールの)トスを上げられたと。そしたら岡本社長が(後ろにボールを弾くそぶりをしながら)こうやったと。まじかよーと。0点でしたね」
社長の対応のまずさを強調する一方で、芸人たちには結束を呼びかけた。
「芸人が一体となって会社に改善を求めて、膿を出して、会社が悪いことをやっているなら正直に全部言ってもらう。そこを明確にしないんだったら、僕が全員芸人連れて出ますわ。それでいいです」
松本としては、待遇改善や岡本社長の経営責任の一層の明確化などをとりまとめ、乗り切りたいようだ。だが、大崎会長と政治との深い関係が取りざたされるなど、問題はもはや一企業の内紛にとどまらない。