一昔前であったら、ジャッキー・マクリーンをジャズの巨人と言ってしまうことに少しばかりためらいがあった。それはマクリーンを軽んじているのではなく、親しい友人に対して敬語を使うときの躊躇に似た感情だ。私たちジャズ喫茶にたむろす折り紙つきのジャズファンにとっては、マクリーンは日常的にアルバムを聴いて親しむアイドルであって、神棚に祭る存在ではなかった。

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