「浮動層にリーチしていた山本さんが抜けたので、浮動票が分散すると思っています。そこに響く選挙ができるかどうかで当落が決まるかなと思っています」
立憲の塩村氏にも「下馬評では当選圏内です」と直撃すると、「ぜんぜん、そんなことないと思ってるんで……」と笑顔。
「元朝日新聞記者」と大きく刷られた名刺を配っていた山岸氏は、「枝野幸男立憲代表に、国会でも質問をさせてくださいとお願いしたんです」と訴えた。
山本氏が比例に回ったので追い風ではないかと直撃すると、「無名なのでこれから上がっていくだけです」。
一方、6位のボーダーラインとされる自民の現職、武見氏を直撃すると、こう語った。
「山本太郎さんに票を入れる層は、自民党をよく思っていない方々ですから、他の方々に散らばり、私には来ないでしょう。私からすれば、かなり厳しい戦い」
情勢を見守る自民党幹部はこう話す。
「選挙戦が近づくにつれて、現場からちょっと雰囲気が違う、これ危ないかも、というSOSが届いている。各メディアの議席予想では、前回並みかちょっと減らす程度というものが多い。しかし、自民党だけでなく、公明党も感触がよくなく、『そっちは大丈夫ですか』と向こうの幹部から連絡がきた。競っている選挙区で反応がよくない。統一地方選のあとで、選挙疲れもあるとは思うが、厳しいという声が想定外に多い。参院選は17日間と長いので予想しにくいが、山本氏のれいわが自民党への批判票の受け皿となって票を伸ばすのではないか。共産、立憲も悪くないのではないか……」
丸川氏と共にトップを走り、余裕の吉良氏は新宿駅西口で第一声。
演説後、車に乗り込んだ吉良氏に本誌・週刊朝日(7月12日号)を見せながら、「当選有望」と伝えて、感想を聞いた。
「何があるかわからない。大激戦と思うので最後まで頑張っていきたい」と笑顔で答えた。(本誌・上田耕司、今西憲之)
※週刊朝日 2019年7月19日号