前座の中にはよく『一生懸命顔』の人がいる。額に汗して、目を血走らせ、威圧しながら気を使ってくる、一緒にいると疲れる奴。その点、小はださんは『こいつ大丈夫か?顔』だ。こちらが心配になる顔。気が利かなそうな顔だが、実はほどよくテキパキしていて、押しつけがましくない気の利かせようがいい。旭川の楽屋にハンガーがないと自前の携帯ハンガーを出してきた。そこまでしなくていい顔なのに。無理するな、小はだ。
「好きな女性のタイプは?」と聞くと「あの人です……ほら……あの……」と石田ゆり子の名前が出るまで5分。「好きじゃないだろ?」「いや、私はあの『顔』が好きなんです!」と。「広瀬すずはどう?」と聞くと「う~ん……」と考え込んだ。おーい、お前も死んでしまえー。
明日は帯広公演。十勝に行けば二人とも『なつぞら』の良さがわかるだろうか。なつよ、俺たちを待ってておくれ。
※週刊朝日 2019年7月12日号