6月15日、テーマ曲を手がけた作品がノミネートされた上海国際映画祭の開幕式に登場したミュージシャンのYOSHIKI。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。
【写真】今回チェックしたYOSHIKIのファッションがこちら
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今やアジアにもっとも影響力を持つ日本人アーティストの一人だよ。あの香港のデモの最中に、親中派の俳優ジャッキー・チェンとのツーショットをSNSに投稿して炎上、なんてミスもあったけど、これはファンに言わせると「平和ボケじゃなくて平和主義」。音楽による外交を任せられる安心と信頼の人材ではあるよね。
そんなミョーな安定感は、この人の浮世離れした服にもよく出てるよ。上海国際映画祭に登場したこの日も、変哲もないスタンドカラーの黒の上下を真っ赤なフリンジで飾ったロックの王子様みたいなたたずまい。ちなみにフリンジは最近のトレンドだけど、上下のシルエットといい、ブーツといい、何の新しさもないんだよな。
ま、音楽界ではマドンナなんかもそうだけど、彼のようなレジェンドは、ファンも本人も変化が嫌い。この手のお約束ファッションは、人気を長くキープするための甲冑みたいなものなのかもね。あたしからすると、本当のアーティストならもっと冒険して、日本のファッションの何たるかを発信してほしいですけど。
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2019年7月5日号