放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「ヒット作の共通点」について。
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AbemaTVで僕が企画した「恋愛ドラマな恋がしたい」、通称「ドラ恋」という恋愛リアリティーショーを放送しています。現在シーズン3で、シーズン1を放送した直後、中国の会社がフォーマットを買ってくれたり、なかなかおもしろい番組。
俳優・女優の卵たちが4人ずつ、計8人、毎週、ショート恋愛ドラマを撮影。男女でカップルを作り、台本に書いてある芝居を二人で演じて、オーディションを受けて、合格した1組だけがドラマに出演することができる。
しかも毎回キスシーン。3カ月間8人のメンバーで、毎回ドラマを作りながら恋愛していく。俳優・女優ですから、やはりドラマに出たい。だけど恋もしたい。カップルを組むときに、好きな人を選ぶべきか、オーディションで勝つために芝居のうまい人を選ぶべきか?みたいな葛藤もあり。
そもそも僕がこれを企画したのは、恋愛ドラマに出ている俳優さんは3カ月の間、一緒に恋愛ドラマを撮影してキスシーンがあったりして、恋愛関係になるでしょ?という疑問から生まれたもの。
僕の中での名作恋愛ドラマといえば「男女7人夏物語」。さんまさんと大竹しのぶさんの掛け合いはドラマ史上ナンバー1なんじゃないか。子供心にこの二人、付き合ってんじゃないかな? 付き合っていてほしいなと思いながら見てしまう。ヒットしたドラマほど、主演の男女の相性がいい。というか、相性がよくなっていくから、台本を超えた芝居になっていくし、視聴者はドキドキしてしまうんじゃないか?
ドラマを見ていて「この二人、なんか息ぴったりだな」とか思うと、数カ月後に週刊誌に出たりする。そこで思う「やっぱりな~」。
これってすごいことですよね。恋愛って普通ひそひそやるもんですけど、ドラマの撮影現場でみんなの見てる前で、自動的に恋愛のきっかけを作られてしまうんだから。もちろん、ハマらない場合もあるから、主演の男女の相性が最悪の恋愛ドラマの撮影現場なんてさぞやつらいだろうなと思ってしまう。