カンヌ国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門でエルトン・ジョンの半生を映画化した話題作「ロケットマン」が5月16日、上映された。エグゼクティブ・プロデューサーを務めたエルトン・ジョン自身も登場し、彼を演じた俳優のタロン・エガートン、デクスター・フレッチャー監督らとレッドカーペットを歩いた。
フレッチャー監督といえば、大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」の製作総指揮を担当し、ブライアン・シンガー降板ののちの実質的監督を務めたヒットメーカーだ。主演のタロン・エガートンとフレッチャー監督をカンヌで独占インタビューした。
――演じるにあたり、エルトンからはどんなアドバイスをもらいましたか?
タロン「それはよくある質問だね。例えヒュー・ジャックマンと共演したときは、ヒューからどんなアドバイスをもらったの?とか。彼らのようなベテラン大物スターとは、共演することでそれは多くの事を学べるよ。クリエイティブな点で非常に勉強になった。恩師であり相棒のような関係かな。ただエルトンの場合、映画監督したわけじゃないから、具体的なアドバイスはしてもらったわけではなかったんだ。僕にアドバイスをくれた人といったら唯一、監督だよ。エルトンは100%応援してくれて、常に称賛と励ましの声をかけ続けてくれたんだ。それが心の支えと自信につながり、この大役をこなすことができたんだよ」
フレッチャー「演技の重要な鍵は観察だよ。タロンは観察眼に長けているんだ。だからさっきもあげた共演者から具体的にどんなアドバイスをもらったかというよりは、彼らを身近で観察した事が一番の勉強だったんじゃないのかな」
タロン「僕の演技はエルトンのパフォーマンスに触発されたんだよ。彼のステージのパフォーマンスや振る舞い方などにね」
――涙なしには見れない内容ですが、テーマについてどう思いましたか?脚本を初めて読んだときの感想は?
タロン「心にジーンとくる話だよ。感動した。脚本を読みながら音楽が聞こえてきたんだ。勿論、完成作がどんなものになるか、想像もできなかった。映画というのは制作の過程で、いろんな方向に向かい形を変えて行くものだから。でもふさわしいスタッフの手にかかれば素晴らしい作品が出来上がるだろうと感じたよ」