文部科学省で事務次官を務めた前川喜平氏が、読者からの質問に答える連載「“針路”相談室」。今回は、結婚式の祝儀に疑問を抱く女性からの相談です。
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Q:結婚式への出席について悩んでいます。昨年は合計11回出席して、ご祝儀と旅費を合わせて、50万円近くが飛んでいきました……。独身で結婚する予定が現時点ではない私からすれば、複雑な気持ちになることも多々あります。そもそもご祝儀はなぜ3万円が相場なのかも疑問ですし、もっと言えば、なぜご祝儀をあてにしなければ開催できないようなきらびやかな会場を選ぶのかと思います。1万円ぐらいの会費制なら、もっと気楽に参加できるのに……。(東京都・35歳・女性・会社員)
A:結婚式に呼ばれても、行かなきゃいいんじゃないでしょうか。一年に合計11回の結婚式なんて、あなたはきっと友人が多いんでしょうね。他人の結婚式に年間50万円もかかるなんて、そりゃたまったもんじゃないですよ。電報一本で済ませるという方法だってあります。慶事というのは断っちゃいけないという同調圧力がありますが、適当に理由をつければ、そんなに失礼なことじゃないと思いますよ。私も理由をつくって、断ったことは何度かあります。
私なんか“すっぽかし”の常習犯で、行くといった結婚式を2回もすっぽかしてしまったことがあります……。どちらも部下の披露宴でした。1度目は、前日に部下がリマインドしに来たにもかかわらず、完全に失念。終わったころに連絡が来て、平謝りでした。2度目は、主賓あいさつを頼まれていたのに、これまたすっかり失念していて、披露宴が始まってすぐに連絡が来たんです。急いで準備をして駆けつけて何とか間に合ったけれど、あいさつの順番を入れ替えたりと、慌てさせてしまいました。
まあ、それは置いといて、私もご祝儀3万円というのは高すぎると思う。会場への言及もありますが、一言で言えば、ブライダルビジネスに完全に乗せられている人がいかに多いかということですよね。結婚式というもの自体が、ものすごく形式ばったものですし。たまにあいさつですごく緊張している人もいて、本来ならもっと気楽にしたらいいと思うけど、何だか妙な圧力がある場です。