「疲れて硬く縮んだ筋肉は、“しっかりほぐす”という意識を持つことが、何よりも大切なのです」
最後に行うのは、足首ストレッチだ。足首が疲れて硬い状態だと、ふくらはぎも硬くなる。ふくらはぎが硬いと、下肢に流れた血液やリンパを心臓に戻す“足の筋ポンプ作用”も弱くなる。
「すると当然のことながら足に老廃物もたまりやすくなっていくので、ズドンとむくんだ足につながっていきます。足首の疲れをとるには“曲げる”と“反らす”を繰り返して、足首を柔らかくほぐすことです」
このストレッチは場所を選ばず、どこでもできる。
「柔軟な足首は、正しい姿勢の基盤でもあります。しっかりほぐして、体が余分なトラブルを抱えないようにしましょう」
これら一連のストレッチで「歩き疲れ」はばっちり解消!
「このあとは柔らかい筋肉と、よく動く関節をキープし続けることを心がけてください」
さて、続けて「運転疲れ」を回復するストレッチも紹介してもらおう。車の運転をしていると、どうしてもすわりっぱなしになるのでまず腰に負担がくる。またハンドルを握る時間が長かったのであれば、肩にも疲れがたまっているはずだ。
「そんな方にまずやっていただきたいのは、サイドベントです。頭の後ろに両手を添えて、息を吐きながら上半身を右にゆっくり倒してみてください」
このとき気をつけることは二つある。前かがみにならないように胸を広げて行うことと、体の側面を腰からきちんと伸ばすことだ。これを意識して行えば、腰痛・肩こりの改善になる。
そしてサイドベントの次は、ローテーションだ。これは背骨を中心とした回旋運動。このストレッチも、体をゆっくり腰からひねることが大切だ。
「そして背骨を中心として、“背骨の両サイドをきちんと伸ばしている”という感覚を持って行うようにしてください。ストレッチは正しいフォームで行わないと効果が半減してしまいます。時間の余裕のあるときに行って、のびやかな体にリセットしてください」
さて、「疲労」は決して自覚症状のあるものばかりではない。目に見えない小さな疲労が体の中にたくさんたまって、心も体も蝕んでいることも十分あり得る。「40代以降になったらどんな方も、『自分は多少の無理をしても平気』などと思わないことです」と語るのは、『最高の疲労回復法』の著者で日本循環器学会専門医の杉岡充爾さんだ。ゴールデンウィークの遊び疲れなどないという人も、下記の隠れ疲労チェックをやってみよう。チェック数がもし16個以上ある場合は、体は実はかなり深刻な状態かもしれない。