統一地方選の後半戦がスタートした。
衆院補欠選挙は玉城デニーが沖縄県知事に転出し、衆院議員を失職したのに伴い実施される沖縄3区と自民党の北川知克氏の死去に伴い大阪12区で実施される。
自民党は北川氏の甥で、北川法夫・寝屋川市長の次男、北川晋平氏を擁立。一方、大阪府知事選、大阪市長選のダブル選挙で圧勝した、日本維新の会は、新人の藤田文武氏を擁立する。だが、その戦いに「第三の候補」が参戦する。自民党幹部がこうぼやく。
「維新と戦うだけでも大変なのに、そこにもう一枚、難敵が加わった」
共産党の衆院議員だった宮本岳志氏が立候補を表明したのだ。
4月9日の告示前日、宮本氏の選挙事務所はにわかに慌ただしくなった。夕刻になって、姿を見せたのは、自由党の小沢一郎代表。そして、共産党の志位和夫委員長、社民党や立憲民主党の関係者も訪れ、握手を交わした。小沢氏はこう挨拶した。
「宮本氏の決断に敬意を表します。勝利を目指そう」
宮本氏は自由党や社民党からも支援を得て無所属として戦う、異例の形をとっているのだ。
初日には、国民民主党の衆院議員もマイクを握り「野党統一候補」を演出。
「共産党の現職議員を無所属にして野党が推して選挙するなんてことは聞いたことがない。到底、うちから出るアイデアじゃない。小沢さんの仕掛けだと聞いている。わざわざ、国会の最中に幹部が宮本候補を呼び出して口説いたようです」(宮本氏陣営幹部)
大阪12区はこの3人に加えて、樽床伸二元総務相も無所属で名乗りをあげており、大激戦区だ。
一方の沖縄3区は、基地問題もあり野党候補がほぼ勝利を手中にしているとまで言われている。
「安倍首相が何としても、国政選挙の連敗は許されない。連敗だと参院選に響くので、必勝だとすごい勢いでハッパをかけている。自民党の幹部や小泉進次郎氏など続々と大物が選挙区入りの予定です」(前出・自民党幹部)
安倍首相自ら大阪12区入りもささやかれている。