――秋田犬は難しい性格?

 マサルちゃんは落ち着いていてすべてを理解してくれています。ただ、たまに人に言われることと反対のことをします。例えば「キッチンに入っちゃだめよ」と言っても、よく来るのはキッチン。気分屋なんです。体重は25キロ。

――犬はよく飼い主の性格を受け継ぐとか。やっぱり似ている?

 そうですね。特に、言われたことと反対のことをやるのは私の性格と似ているかもしれませんね(笑)。マサルちゃんは、私が「散歩しよう」と声をかけると、しっぽを元気にふって外に出て、いつも幸せそうにしています。人間もそういう喜び方をするといいと思います。

――世界選手権1位、五輪1位になった。これからの目標や、破りたい記録があれば聞かせてください。

 今滑るのは自分のためであり、観客の皆さんのためです。出場するごとにいつも私を見に来てくださるお客さんはとてもありがたいので、いつも応援していただいて感謝しています。

――タフなシーズンだった。楽しめたか?

 今回の世界選手権(の結果)は、五輪の2倍、3倍うれしいです。

――今シーズンはどの大会が一番厳しかったか。

 ロシア選手権です。しかし、コーチの言葉が力になりました。褒め言葉だけじゃなく、厳しい言葉も力になりました。世界選手権の前に二つの家族~「アイスの家族」(スケートの家族)と「(自分の本当の)家族」~があって、サポートをしてくれる人がたくさんいたんです。

――昨日ご両親がテレビの取材で「とても幸せ」とコメントしていました

 妹からはSPの前に、「ハイ~元気~」って電話がかかってきた。その後、「転倒は絶対にするな!見てるからね」と言われました。姉としていいところを見せなくちゃと思って。そういう考えも力になったのかもしれません。40年アイスホッケーと関わっている父も、いろいろ助言くれました。父は精神力が強くて、尊敬しているんです。

(本誌・大崎百紀)

※週刊朝日オンライン限定記事