トヨタ自動車は3月11日、“革新的”なデザインのクラウンを発表した。お笑い芸人・キングコングの西野亮廣とのコラボレーションで、オリジナルデザインを施したという「ゴールド×ネイビー」カラーのクラウンは、17日まで表参道ヒルズに展示される。
【写真】正面からも後ろからも ニシノクラウンは金ピカに光っている!(全3枚)
行き交う人々が足を止め、スマホのカメラを向ける。金ピカに光る車体は、目を引く。これまでの質実剛健なイメージを覆すような今回のカラーリングにはどんな意図があったのか。
「クラウンの購買層は、男性を中心とした高年齢層の方々が多くを占めています。これまでクラウンと接点のなかった方や、関心がない、関心が低いという方に新たに関心を寄せていただきたいと考えました」(トヨタ広報担当者)
なぜ西野さんに白羽の矢が立ったのか。トヨタのホームページには、
<斬新なアイデアと圧倒的な実行力でファンを熱狂させる西野亮廣。時代を牽引する彼の目にうつるCROWNの革新とは>
とある。お笑い芸人とは思えない紹介文だが、絵本作家や小説家、エッセイストなど様々な顔を持つ西野は、芸能活動の枠を越えて活躍を続ける。
「革新的な取り組みを自ら実践され、新しいクラウンをつくりあげてくれる方ということで西野さんにお任せしました」(トヨタ広報担当者)
デザインのコンセプト、色の組み合わせについて、西野さんはトヨタの特設ホームページの中でこう語っている。
<「革新」というテーマをいただいた時に、ベタですが最初に『ナポレオン』が、よぎりました。(中略)ナポレオンが被っている帽子の『ネイビー×ゴールド』のカラーリングにしてみました。(後略)>
購買層の拡充を狙った今回の試みについて、モータージャーナリストの岩貞るみこさんはこう分析する。
「クラウンといえば高級セダンで、50、60代以上の男性が乗る車というイメージが根強くあります。クラウンの良質な価値観を保ちながら、いかにこれまでとは異なるイメージを打ち出せるか、が購買層の拡充には必要でした」
いわゆる“おじさんが乗る車”。その印象は時代によって形作られていった。