全世界でヒット中! 笑いと涙のロード・ムービー「グリーンブック」。監督は「メリーに首ったけ」「愛しのローズマリー」などコメディーを得意とするファレリー。本年度のアカデミー賞では5部門にノミネートされ、見事、作品賞、マハーシャラ・アリの助演男優賞、脚本賞を獲得した。
■差別の残る時代の南部に 正反対の二人が挑む
1962年のニューヨーク。一流ナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒を務めるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、ガサツで無学だが、腕っぷしはもちろん、ハッタリも得意で、家族や周囲から頼りにされていた。
店が改装で閉店になった2カ月間、彼はある黒人ピアニストの運転手として雇われる。そのピアニストはドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)。カーネギーホールを住みかとし、ケネディ大統領のためにホワイトハウスで演奏したほどの天才なのだが、なぜか黒人差別が色濃く危険な南部でのツアーをもくろんでいた。2人は黒人用旅行ガイド<グリーンブック>を頼りに出発するのだが、行く先で事件が待ち構えていた。
本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★ 超オススメ、ぜひ観て
白人と黒人のバディ・ムービーでもこれはちょっと別格。エレガントな黒人と粗野だけど温かなイタリア男の南部行きの中、黒人差別の白人をぎゃふんと言わせたり、黒人男性が白人女性を知的に魅了するのを見るのは楽しい。