これらの取り組みは、昨年11月の米中間選挙を前に盛んに行われた。今年5月に予定されている欧州議会選挙に向けて、さらに加速している状況だ。
デジタル広告をビジネスの中核に据えるフェイスブックやグーグルにとって、広告分野への規制はなんとしても避けたい。だからこそ、自主的な取り組みによって、規制は不要だということをアピールしたいのだろう。
だが、その取り組みに水を差すできごとが起こってしまった。
フェイスブックの広告の透明性を監視するため、外部の組織やメディアが広告ターゲティングに関する情報を収集するツールがあるが、それが機能しないように仕様変更を繰り返していたというのだ。利用者のあらゆる情報を収集し、ビジネスに生かしているフェイスブックが、みずからのサービスに関する都合の悪い情報収集を避けようとしたことになる。
厳しい目が向けられる中で起きたこの騒動。同社への批判がさらに高まることは疑いがない。
※週刊朝日 2019年2月22日号