鈴木慶一率いるControversial Spark(コントロヴァーシャル・スパーク)が活動を再開し、3年半ぶりにニュー・アルバム『After Intermission』を発表した。
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鈴木慶一といえば、昨年、本コラムで紹介した高橋幸宏とのユニット、THE BEATNIKSの『EXITENTIALIST A XIE XIE』が日本レコード大賞の優秀アルバム賞に選ばれ、話題を集めたばかり。同ユニットの活発なライヴ活動に次いでソロ作の制作に取りかかったものの、なかなかはかどらず、コンスパの再活動を思い立ったという。
コンスパは2013年、鈴木がムーンライダーズの活動を休止したのをきっかけに結成された。旧知のドラマーの矢部浩志(元カーネーション)、ギタリストの近藤研二(元栗コーダーカルテット)のほか、ベーシストの岩崎なおみ、ギタリストのkonoreという新進気鋭の女性2人を起用した。
鈴木はギター・アンサンブル主体のバンドを希求した。バンドのフロント・マンを務める重圧を逃れ、ヴォーカルやリード・ギターをサポートするサイド・ギタリストに徹したいという思いもあったという。
結果的に20~60代にまたがる男女混合のメンバー構成に。鈴木、近藤、KONOREのトリプル・ギターと、鈴木、KONORE、岩崎のヴォーカル、コーラスが看板だ。
KONOREについては、鈴木がたまたま動画サイトで見かけ、ギターのうまさにひかれ、セッションに誘った。
その彼女、小学生の頃にスピッツや矢井田瞳にハマり、ミッシェル・ガン・エレファントを見て、バンドをやりたいと思ったという。ムーンライダーズの名は知っていても聴いたことはなく、コンスパへ参加が決まった後も、ほかのメンバーの年齢や聴いてきた音楽が違うことに不安を覚え、鈴木に“ここにいる理由がわかりません”と言い放ったという。
もっとも鈴木は、世代の離れたミュージシャンと共演したときの意外性への期待があったようだ。ムーンライダーズ時代以来、常に前向きな姿勢で実験的な音楽制作に取り組んできた鈴木らしい発想だ。