このところ安倍内閣は、安保法案や、いわゆる共謀罪、IR法案など、多くの法案について国会審議を満足に行わないで強行採決を繰り返している。特に出入国管理法改正、つまり外国人労働者の受け入れをどのようにするか、という重要な法案について、何と国会審議を衆院17時間15分、参院20時間45分という短時間で、内容についての具体的な審議をまったくしないまま強行採決した。

 自民党の幹部にオフレコで問うと、内容についての具体的な審議をすると、政府に処理できない難問が続出するので、政府がごまかしの形で法律をつくろうとしているのだと言うのである。

 国会審議を満足に行わないで強行採決を繰り返すということは、野党を馬鹿にしきって、また国民もあまり関心を持っていないと高をくくっているのである。

 いってみれば、やりたい放題だ。

 沖縄の辺野古では、県民の反対を無視し続けて工事を強行し、「いずも」型護衛艦に米国から大量に買い入れた戦闘機F35Bが発着艦できるようにする。これは事実上、攻撃型の空母化であり、専守防衛からの逸脱だとマスメディアが強く批判しているが、政府は一切説明する気配がない。国民があまり関心を示さない、と高をくくっているわけだ。

 小泉進次郎氏はこうした状況に強い危機感を抱いているのである。

週刊朝日  2019年2月1日号

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