永利氏は、指定管理制度導入の弊害をこう語る。

「指定管理の館長だと、民間なので、各々の契約の範囲内でしか動けず、提言も、課を通じてしかできない。他にも、市として解決したい高齢者対策などの問題も、各部署や図書館なども連携しないと難しいが、それもできない。市長と会うことすらできず、議会での説明も民間ですから権限外になります」

 区は司書を解雇する考えはないこと、他の図書館の業務を担う考えを表明し、最終的に、組合が受け入れ、18日夜にストは回避された。だが、問題が先延ばしになったに過ぎない。

 練馬図書館の司書らに取材を申し込むと、「業務中なので答えられない」。労組にも取材を申し込んだが、期限までに回答はなかった。
「公共施設」としての図書館の役割が今問われている。(本誌・田中将介)

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