「○○師匠はどんな人? なにか面白いエピソードとかあります?」とか。私も玉置さんと話せるのは嬉しいから「実はですね……」なんてあることないことご注進すると、舞台でそのまんま見てきたように話す玉置さん。これが自分が教えた話のはずなのに袖で聴いてて面白い。長年培ってきた話術だなぁ……と改めて感心。
そのうち落語愛が過ぎてトークが止まらなくなり、これからやる落語のネタバレをしてしまうこともたびたびでした。「ダメだよー、玉置さん! そこまで言っちゃ!!」と、舞台袖で頭を抱える演者。
でも『名作落語』ですからね、あらすじを知ってても面白いんです。その聞きどころを玉置さんがあの調子で語ってくれるんですから、お客様にとっては贅沢の極みでしょう。例えば『寿限無』なんて落語も、玉置さんにかかれば「これから名作が聴ける!」と思わせてくれる、みたいな。
なぜ玉置さんの話になったかというと、先日夢に玉置さんが現れたのです。『名作落語の夕べ』で玉置さんがご案内。あの名調子で「……これからお聴き頂くお噺は、女の子のパンツを覗き見る、いわゆるパンチラを生き甲斐にしている男達の物語………」。
わたしゃ、名作『パンチラ倶楽部』で泣きました。やっぱりきく麿兄さんは夢の中でも天才でした。
※週刊朝日 2018年12月21日号
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