「監督よりGMがおもしろそうですよね。編成権を持っていて、チームを動かせる。監督をだれにするかも選べる時点で、GMの立場が強い。楽天の石井さんの存在が大きいです。プロ野球やメジャーリーグでの人脈を生かし、いい仕事をされている。選手あがりのGMがこれから増えると思いますよ」(30代中堅選手)
楽天GMの石井一久は、今オフに選手や監督以上に目立っている。FA宣言した西武の主将・浅村栄斗を、ソフトバンクやオリックスとの争奪戦の末に獲得。浅村も楽天を選んだ理由について、「カズさん(石井GM)が『来てくれるだけで楽天のためになる』と。そういう言葉が自分の胸に刺さり、楽天のためにやりたい気持ちになりました」と石井の存在の大きさを口にした。
積極補強策は浅村にとどまらず、今季エンゼルスで大谷翔平と同僚だったジャバリ・ブラッシュを獲得。マイナー通算169発の実力だけに、4番候補だ。広島の投手・福井優也もトレードで獲得し、今季最下位に沈んだチームの立て直しに動く。そんな石井の姿に、現役選手が将来の仕事として憧れるのかもしれない。
編成面でも、かつては監督の発言権が強かったが、今はフロント主導のチームづくりが多い。9年連続日本一を遂げた川上哲治に始まり、西本幸雄、仰木彬、大沢啓二ら個性あふれる監督がチームの看板だった時代と、今とは違う。監督は、現場の「中間管理職」的な位置付けが強くなった。
チームの顔がGMとなる日も来るかもしれない。(今中洋介)
※週刊朝日 2018年12月21日号
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