一、演者のプロフィルまでチラシに載せる。本名・生年月日・出身地・出身校・趣味・受賞歴・得意ネタ……高座のまくらでの『つかみのフレーズ』まで書いてあったり。その横に「爆笑確実! 必聴!」としてある。営業妨害で訴えるよ。

一、なぜか主催者自身のプロフィルまで載せてしまう。『……小生、大学時代は落語研究会。噺家を志すも家業を継ぎ現在、社会人落語サークルに所属。得意ネタは……』いやいや、あなたの得意ネタはいらないから!チラシで『小生』って!?

一、早くも次回予告がドーンッと載っている。とにかく一歩一歩着実にいくべきではないですかね? 気が早! しかも出演者、私じゃなくて違う人だし。

 そんな情報過多のカオスなチラシはホントにあるんだな。「あちゃー……」とは思いつつ、私は主催者には何も言いません。理由はそんなメガ盛りチラシが、けっこう好きだから。タイトルに『江戸前』とか付いてたらもうゾクゾクします。「どこがっ!?」と心で突っ込んで。

 ……省みれば、出演する私の落語も盛り込みまくって訳わからないんですけどね。ホテルの朝食バイキングも盛りすぎていつも後悔するしなぁ……。でも『盛る』のって、なんか楽しい。楽しいの。『引き算』なんてまだまだ私には早いのよ。

週刊朝日  2018年12月14日号

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