子供の頃、胸に抱いた志を今も大切にしている。だからこそ、自分が夢を手渡す側の立場に立てたことに、大きな喜びを感じ、“必死で頑張っていこう”という覚悟を持つ。
「今度の映画では、國村(隼)さんのお芝居に刺激を受けました。元来持っている人間の深みが、役の中にすごく繊細に反映されていた。自分に足りないものを痛感しました」
昨年、「ひよっこ」の撮影後、ノルウェーとフィンランドを再訪した。
「大きな仕事をやり遂げたという達成感はあまり得られず、すべてを出し切ってカラカラの状態でした。でも私の乾き切った心を一気に潤してくれるぐらい、いろんな感情が湧き上がって……。あの場所に行くと気持ちがリセットできるみたい。また、何かあったときは行きたいです。ものすごく遠いんですが(笑)」
(取材・文/菊地陽子)
※週刊朝日 2018年12月7日号