大八木監督に「辞職勧告」したとされる中畑清氏(c)朝日新聞社
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「パワハラ」告発文書

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大八木弘明監督 (撮影/加藤夏子)
大八木弘明監督 (撮影/加藤夏子)

 来年1月2、3日に行われる箱根駅伝が近づいてきた。だが、総合優勝6回の強豪、駒沢大学で内紛が勃発(ぼっぱつ)。陸上部を率いる名将、大八木弘明監督が学長や同大OBの中畑清氏らから「辞職勧告」を受け、“パワハラ”をされたと大学内部監査室に告発したのだ。

*  *  *

「辞職勧告」をめぐる学内外を巻き込んだドタバタ劇が克明に記録された内部文書を本誌は独占入手した。「内部監査申し立て書」と題された15枚の文書は大八木監督の代理人弁護士名で学校法人・駒沢大学内部監査室室長宛てに9月18日、提出されたものだ。

 そこには、大八木監督に「辞職勧告」した人物として、長谷部八朗学長、同大野球部OBでDeNA元監督の中畑清氏らが登場していた。駒沢大学陸上部は箱根駅伝に、1967年から来年で連続53回出場を続ける駅伝の名門中の名門だ。

 大八木監督も駒大OBで、95年に駒大コーチ、2004年に監督に就任。以降は08年の箱根駅伝では総合優勝を飾るなど14年間、名将として君臨してきたはずなのに、なぜ、「パワハラ」告発するに至ったのか。

 告発文書によると、「辞職勧告」は今年7月10日、東京都のホルモン焼き店に大八木監督、長谷部学長、中畑氏、同大学陸上部などを支援している会社社長T氏、学生部職員の総勢5人が集まったという。まず、口火を切ったのは、T氏だ。

《(T氏は)「監督は辞表を書いて学長に預けるべきだ」と具体的に提案してきました。それを受ける形で中畑氏は、「来たる9月16日のコーチの結婚式で監督辞任の発表をしたら良いのではないか」と言い出した》

 大八木監督が何より驚いたのは同席していた長谷部学長の態度だったと記されている。

《(長谷部学長は)「あなたが辞表を書けば預かりますよ」と、はっきり発言したのです。この学長発言は、退職勧奨・辞職強要意思の明らかな表明にあたり、それだけでも、明確な長谷部学長のパワーハラスメントという違法行為である》

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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