新聞社に勤める先輩は、「夜に大切なことが決まっていく」と言っていた。昼間の会議ではなく、夜の飲み会で男たちが決めることに幼い子のいる自分は参加できなかった。スクープ取れば「女はいいよな」と言われ、女性の問題を扱えば「女は楽だね」と妬まれる。何をしても「女のやってること」として見られてきた。少数派でいることは、女同士の分断も生む。それが3割超えてようやく、「女」ポジションから解放され、組織も「男のルール」が通用しなくなる。4割超えたら、男性も多数面できず、女性たちは今までみたいな「頑張り」をしなくてよくなるだろう。
それは実は、日本の近代以降、いまだに達成されていない革命的な変化なのだと思う。その変化を恐れる男たちが「女の数を調整する」ことで「男のルール」を守り続けてきた。それで、誰が得するの? 誰が泣いてきたの?
東京医大は第三者委員会が入ったことで、膿を出す努力をしている。他大も準じてほしい。女が増えても怖いことなんかない。「男のルール」からの解放は、きっと男自身も解放するのだから。
※週刊朝日 2018年11月9日号