秋山:だから、あおり運転をテーマにしてもいいんじゃないかと。
友近:でも、最後まで、犯人の顔を見せたくないと思っています。
秋山:この作品に関してはね、僕たちも心配なんです。「六城」や「船と氷山」と違って、どこが洋画なんだ?って、ベースがわからないんじゃないかと。
友近:でも、映画監督が見ると、このアイデア、やられた!って思うかもしれません。
秋山:自分としてはスピルバーグ監督に見てほしいですね。
――スピルバーグの「激突(げきとつ)」……ということは、そのカーチェイスは、やはり大型トラックで?
友近:海外は大型も多いですけど、日本の場合は小型で質が高い車がいっぱいありますから。
秋山:特にレベルが高いのは、軽トラかなと。
友近:小型ならではの緊迫感を出していきたいなと思っています。
――「激突き!」で、お二人がこれはぜひ撮らなければと考えているシーンは?
友近:田舎の一本道を追いつ追われつするシーンですね。
秋山:国産の質のいい小型トラックが追いかけてくる、これは怖いですよ。
友近:ロケは愛媛でどうかなと。
秋山:友近さん、撮影地を全部、地元の愛媛にしようとするんですよ。
友近:道後ミュージアムにも行けますから。
秋山:ストリップ劇場もありますよね。そこを軽トラックが走っていく。
友近:国産ですから、ガソリンスタンドとか、ドライブインとかではなく、道の駅に寄る。
――隅々まで国産にこだわった作品ですね。
友近:はい、国産で、見やすくて、感動して、記憶に残る映画にしたいんです。海外の人が見ても、日本の良さを知ってもらえるような。
秋山:友近さんと会うたびに、オリンピックに向けて、日本のことをよく思ってほしい、私たちができることはないか、って口癖のように言っていたんですよ。ジャパンブランドを自分たちで作りたいと。
――最後に、どんな方に「国産洋画劇場」を見てほしいか聞かせてください。
友近:若い方には特に見やすいと思います。話もぎゅっとしてますし、日本人が日本語で演じていますからね。
秋山:洋画はちょっと難しいな、とか、字幕で見るのは疲れるなという、ビギナー中のビギナーに、ここから入ってもらえたらうれしいです。
(取材・文=沖田十二)
※週刊朝日オンライン限定記事