(c)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
この記事の写真をすべて見る
(c)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

 全米で公開後、ホラー映画ながら社会現象化するほどの大ヒットを記録『クワイエット・プレイス』。「プラダを着た悪魔」以来主演作の続くエミリー・ブラントと、「プロミスト・ランド」のジョン・クラシンスキーは実生活でも夫婦。クラシンスキーは監督も務めた。

【その他の場面写真はこちら】

 音に反応し人間を襲う“何か”によって荒廃した世界。その”何か”は、呼吸の音でさえ逃さない。誰かが一瞬でも音を立てると、即死する。

 その中でたった1組生き残った家族がいた。手話を使い、素足で歩き、道には砂を敷き詰める。静寂と共に暮らすのは、エヴリン(エミリー・ブラント)とリー(ジョン・クラシンスキー)の夫婦と、長女のリーガン(ミリセント・シモンズ)、そして長男のマーカス(ノア・ジュプ)の4人家族だ。

 生き延びるために、沈黙し続けて暮らす彼らだったが、なんとエヴリンは出産を目前に控えているのだった。果たして4人は沈黙を貫けるのか? エヴリンは無事に子供を産むことができるのか?

 本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★ 超オススメ、ぜひ観て
「なぜ音が?」と原因を考える間もなく一家を包む恐怖に巻き込まれるが、やがて見えた正体にニヤリ。正体が見えてからは母の出産で家族が一つにまとまっていく様子を見せて人間味のあるサスペンス劇になった。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★ なかなかGOOD!
一時的に音を立てられない状況に追い込まれるのではなく、生活を続けなければならない運命が、異様な空気を醸し出していく。時間と空間を限定し、登場人物を絞り、家族の濃密なドラマを生み出す省略と凝縮の技が光る。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★ なかなかGOOD!
“何か”が出てきてもガッカリしないで。この映画の物語はよくできてます。伏線がちゃんとしてるので、いろんなことが起きても納得。生き抜くための工夫が賢い! 最後は感動するし。本物の夫婦だからこそ出せる空気。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★ なかなかGOOD!
ただのホラーではなく、家族の愛と絆のストーリーでもあるからホラー好き以外の方にも薦められる。緊張感が持続するのはシンプルなアイデアで押しきるからだろう。ただ、そのためにアイデアが続かない面もあり。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2018年10月5日号

[AERA最新号はこちら]